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ヤマトなう

レイトなう
レイトなう
マクロスじゃないほう。
開演10分前で誰もいなかったぞ!

もっとも、直後からぱらぱらと入り始め、開演ごろには2~30人にはなってました。レイトとしてはボチボチですが、公開直後のサタデーナイトがこれでは、先々が心配。いや、言うほどしてないけどさ。

さて実際の所、ヤマトの映画といえばキムタク実写版しか知らなかったのですが、TVCMから公式サイトを見た所、その出来のあまりのナニさ加減駄目な方の興味が鎌首をもたげ、いてもたってもいられなくなったわけです。わかりやすく言いますと、史上初の全編CG映画にしてスクウェアの経営を傾けた、あの伝説の「FINAL FANTASY」と同じ動機です。

いや実際見終わってみれば予想通り、いやむしろダメ分80%に期待を20%ほど靴下の中に忍ばせて持っていったら身ぐるみ剥がされた気分です。まるで2時間の悪夢にうなされているようでした。

ヤマトは無かったことにされている新生ヤマト以外全部見てるので、ご都合主義だの御託が多いだの考証がムッチャクチャだのは今さら何とも思わないのですが、問題はむしろそれ以外。

設定も脚本も演出も大雑把で雑、単刀直入に言えば下手。

世界観のスケールがやたらデカいのですが、セリフだけの説明な上にボリューム自体が不足していてリアリティは皆無。そのくせいらんカットやシーンをふんだんにぶち込んで尺を圧迫し、説明不足に拍車をかけます。
演出面では、尺不足のせいか、全てのイベントが緊張感や不安感を煽ることなく全く盛り上がりもないまま、唐突に、しかもぬら~っと始まり、あっさり終わります。ものすごく淡泊。

さらにイベントの作り込みもお粗末です。

古代の娘と彼女の同僚たち乗る飛行機が、嵐に巻き込まれ遭難します。
ヤマトのクルーが独断で救助に向かおうとしますが、古代がそれを許しません。クルーは古代に悪態を吐きますが、古代は単身、戦闘機で救助に向かいます。

古代は宇宙戦艦ヤマトの艦長です。

艦長が勝手に艦を離れるなど言語道断、軍法会議モノなのですが、ヤマトではいーんです。
問題はこの後。

でもって、古代は墜落した飛行機を発見。着陸して残骸から娘を救出しますが、他の生存者のことはまるで存在すらしないかのように気にも止めずにその場を離れてヤマトに戻ります。
えーんかいこれは。

ラストもラスト、敵のラスボスが自分たちの正体と謀略を頼まれもしないのに勝手にべらべらしゃべってくれます。
「ヤツらの狙いがそうなら、たぶんこんなモノがあるはずだ、それがウィークポイントだから探せ!」

1分かからずに見つかりますなんだそりゃ。

ヤマトのお約束、散華の美学もいくつか挟まれているのですが、構成が悪く演出も下手で、薄っぺらーいイベントに成り下がってます。心よりご冥福をお祈りします。

作画は、メカはほとんどCGなので今どきなものですが、ことさらひどいのはキャラクター。
表情が全編を通して口パク以外全く変化がない見事な能面で、小粋な掛け合いも演技も人形劇よろしくで寒いもんです。おまけに古代が出すぎでサブキャラが食われてしまっている上、きちんと立ち位置があるはずのキャラが本職以外の職域にバンバン出しゃばるので役割が希薄になってしまい、余計に印象が薄くなってしまってます。

艦内服もとても21世紀にデザインされたとは思えないとてもユニークなものですが、古代と戦闘機搭乗員、旧作で言う森雪の職域だけが旧作のまま。使い分けが意味不明です。

スタッフロールを見ると結構な古豪が咬んでるのにこの出来。本当に旧作を読み込んできたのか疑わしいくらい杜撰な出来に「第一部完」とかやられたって、ダメ映画としておちょくる以外の価値を見出せなかったオレにはすこーし敷居が高いように感じます。ここはひとまず「宇宙戦艦ヤマトの残念な方」の称号を授けて一巻の終わりと致します。

口直しにマクロス見に行くかなー。TVシリーズは全然ハマらなかったけどさー。

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